いわて農林水産物機能性活用研究会メールマガジン2024年9月号
目次
1 研究会からのお知らせ
2 機能性食品等に関するニュース
3 食や健康に関するイベント
4 今が旬!いわての農産物紹介
5 研究会からのお願い
1 研究会からのお知らせ
〇令和6年度いわて農林水産物機能性活用シンポジウム
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9月3日(火)13時30分から盛岡市「岩手教育会館」にて開催しました。参加は86名(会場66名、オンライン12名)と会員の皆様をはじめ多くの参加がありました。
「農林水産物はどうして体に良いの?」と題し、農林水産物の健康機能性の科学的根拠=エビデンスには様々な種類があること、機能性を表示する食品として「機能性表示食品」が増えていること、食品の機能性情報は作り手・売り手・消費者などの立場ごとの向き合い方があること、など各講師から講演をいただきました。
参加者のアンケートからは、シンポジウムを通じて機能性表示食品制度の理解が深まったことや、次回シンポジウム開催への貴重なご意見も数多くありました。研究会では、いただいたご意見を今後の活動に生かしていきたいと考えています。
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〇ヒエヌカオイルを配合した製品が、AKOMEYAから販売開始されました。
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当センターが開発に関与し、株式会社JAグリーンサービス花巻で製造している「ヒエヌカオイル」が、株式会社 AKOMEYA TOKYOのスキンケアシリーズに採用され、9月10日からAKOMEYA各店舗、およびオンラインショップで販売開始されました。
ニホンビエは、日本独自の穀物で、岩手県花巻市が主な生産地です。近年ヒエは健康食品として認知されていますが、そのヌカは有効に活用されていませんでした。生工研および株式会社ファーメンステーション、株式会社JAグリーンサービス花巻が連携し、ヒエヌカから抗酸化成分などを含むオイルの開発に成功し、これまで薬王堂で販売されているスキンケアシリーズ「AndOHU」などに配合されていました。今回、新たにAKOMEYA製品に配合され、販売に至りました。
ヒエヌカオイルのスキンケア・ボディケアシリーズ: |AKOMEYA TOKYO
同時に、当研究会会員の、株式会社ファーメンステーションが開発した米もろみ粕を配合したスキンケアシリーズも、同時販売開始されています。
米もろみ粕のスキンケア・ボディケアシリーズ: |AKOMEYA TOKYO
2 機能性食品等に関するニュース
〇最新の機能性表示食品届出情報
(消費者庁「機能性表示食品届出データベース」より(令和6年9月20日現在))
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令和6年7月1日~31日の期間において消費者庁に届出があったものは109件でした。食品区分は、「生鮮食品」が3件、「加工食品(サプリメント形状)」が72件、「加工食品(その他)」が34件です。このうち生鮮食品は以下の通りです(「商品名(名称)機能性関与成分」で記載)。①「丸ごとたべたいレモン(有機レモン)クエン酸」、②「ホホホタケ(はなびらたけ)エルゴチオネイン」、③「田辺農園バナナ(バナナ)GABA」
機能性表示食品の届出情報検索 | 消費者庁 (caa.go.jp)
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3 食や健康に関するイベント
〇国連食糧農業機関(FAO)マッシモ・トレロ チーフエコノミスト来日特別セミナー「世界の食料栄養安全保障と強靭な食料システム実現のための優先的政策・投資オプション」
■日時 10月8日(火) 14:00~16:00
■場所 日比谷三井カンファレンス8階ROOM1+2東京ミッドタウン日比谷8F (東京都千代田区有楽町1-1-2)
■内容 国連食料農業機関(FAO)チーフエコノミストであるマッシモ・トレロ氏が、世界の食料安全保障が直面するリスクや食料システムの抱える課題について分析し、その解決に向けた取組を紹介。パネルセッションでは、強靭な食料システム実現に向けた政策や投資の優先事項について議論をおこなう。
■参加費無料 ■使用言語:日本語・英語(同時通訳)。
■その他 申込締切: 令和6年10月4日(金曜日)17時00分
申込みとセミナー詳細は以下サイトを参照ください。
マッシモ・トレロFAO チーフエコノミスト来日講演を開催します!:農林水産省 (maff.go.jp)
〇食品産業適正取引推進セミナーin京都(オンライン)
■日時 10月15日(火) 14:00~15:30
■場所 オンライン
■内容 現在、食品産業は原材料価格の高まりや為替相場の変動、人手不足等により、生産・流通コストが増高しており、食料システム全体で適正な価格形成を図ることが重要な課題となっている。食品産業を持続可能なものにしていくために、今回のセミナーでは、取引慣行や価格転嫁をめぐる環境の変化や適正な取引環境を実現させるための企業の取り組みについて紹介する。
■定員 200名(先着順)、参加費無料。10月7日(月)締切。
■申込とセミナー詳細は下記サイトを参照ください。
セミナー・イベント | 食品産業センター (shokusan.or.jp)
〇「泣かないタマネギ開発秘話とイグ・ノーベル賞からの道」
催涙因子合成酵素の発見が評価され、2013年にイグ・ノーベル化学賞を受賞。泣かないタマネギ開発秘話とイグ・ノーベル賞からの道に迫る!!
■日時 10月 30日(水) 15:00~16:00
■会場 Zoom配信
■定員 500人
■主催 (一財)バイオインダストリー協会
■内容 泣かないタマネギ開発秘話とイグ・ノーベル賞からの道
今井 真介 氏(ハウス食品グループ本社 研究開発本部 基礎研究部 高度研究参事)
2002年に世界的な科学誌「Nature」で催涙因子合成酵素の発見についての 論文を発表。催涙因子合成酵素の発見は、「タマネギが人を泣かせる生化学的 なプロセスは科学者が考えていたより複雑であることを明らかにした」と評価 され、2013年にイグ・ノーベル化学賞を受賞。このタマネギ研究を元に、 2005年より、涙がでない・辛みのないタマネギの開発がスタートした。 2012年、新しいタマネギの品種スマイルボールとして初めて収穫され、 2015年よりテスト販売をスタート。 2024年も10月下旬頃の販売開始を予定している。
■参加費 無料
■セミナーの詳細と参加申込み 以下サイトを参照ください。
「泣かないタマネギ開発秘話とイグ・ノーベル賞からの道」 | 一般財団法人バイオインダストリー協会[Japan Bioindustry Association] (jba.or.jp)
〇食品開発展2024(Hi Japan/ FiT Japan/ S-tec Japan/ LL Japan)
■会期 2024年10月23日(水)・24日(木)・25日(金)
■会場 東京ビッグサイト西1・2・4ホール&アトリウム
■後援 厚生労働省/東京都/日本貿易振興機構(ジェトロ)/農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門
■詳細は下記サイトへ
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4 今が旬!いわての農産物紹介
今月は「ぶどう」です。
岩手県内でのぶどう栽培は、花巻市、紫波町で主に行われ、県全体の収穫量は2,550tとなっており全国で11位となっています(令和4年度)。品種は、果実利用の方法から生食用と醸造用に分けられ、岩手県では両方の品種が栽培されています。生食用品種は、これまで耐寒性が強い米国系品種といわれる「キャンベルアーリー」(黒)、「デラウェア」(赤)、「ナイアガラ」(緑)というやや小粒のぶどうが露地栽培されていました。しかし、近年の消費者ニーズは「巨峰」をはじめとする大粒の高級品種へと変化し、県内でも「紅伊豆」や「シャインマスカット」など大粒系品種がトンネルやハウスで栽培されるようになりました。
県内のワイン生産は、1960年代から本格的に開始されました。当初は生食用品種を原料としていましたが、品質の高いワインを生産するため県内でも醸造専用品種の栽培がおこなわれるようになりました。品種選定のポイントはやはり耐寒性があることです。欧州から導入された品種(「メルロー」(赤)、「カルベネフラン」(赤))や国内で育成された品種(「リースリング・リオン」(白)、「モンドブリエ」(白))を中心に多くの品種が栽培されています。県では、「いわてワイン振興協議会」を令和5年度に設立し、ワインを核とした産業の振興と地域の活性化を図ることを目的に県産醸造用ぶどう等の生産振興や県産ワイン等の生産拡大・販売・PRに取組んでいます。これから岩手から美味しいワインが数多く販売されることに期待します。
ぶどうの果皮・種子・果梗には、アントシアニン類やプロアントシアニジン、レスベラトロール、タンニンなどのポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールには生活習慣病原因とされる体内の活性酸素を除去する抗酸化作用があります。ぶどうに含まれるポリフェノールを効果的にとるためには、ぶどう果汁やぶどうを皮ごと食べる干しブドウが有効です。ぶどうに多く含まれる糖質は、体内ですぐにエネルギーに変換されるブドウ糖と果糖で占められており、これらの含有量は果物の中でもトップクラスを誇ります。γ-アミノ酪酸(GABA)は、血圧低下や精神ストレス軽減などの効果が報告されています。メロンやかんきつ類ほどではありませんが、ぶどうにも含まれています。
ぶどうは、機能性表示食品として消費者庁に生鮮食品区分で1件登録されています(2024年8月現在)。機能性関与成分は「GABA」で表示する機能として「血圧が高めの方の血圧を下げる機能」となっています。
5 研究会からのお願い
〇会員の皆様からの情報提供について
研究会では、メールマガジンに掲載する、会員関連情報を募集しています。イベント開催や商品案内等、研究会内で共有したい情報がございましたら事務局 seikouken@ibrc.or.jp までご連絡ください。
なお、情報提供にあたっては以下の事項について確認をお願いします。