食用ほおずき葉
”食用ほおずき”は、近年岩手県内で生産が増えています。Golden berryとも呼ばれ、欧米では栄養価が高く健康増進効果が期待できるスーパーフードとして、人気があります。県内では、しまほおずきという種が生産されており、園芸用のほおずきとは異なる種です。花巻市の株式会社ネクスグループでは、ICT制御された温室で食用ほおずきを生産しており(ネクスファーム事業部1)が推進するスマート農業 )、生食用をはじめ、アイスクリームやリキュールなどの加工品も製造販売を行っています2)。
スマート農業により栽培の省力化に成功していますが、収穫後の葉や茎は利用されずに毎年大量の廃棄物として処理されていました。そこで、我々はネクスファームと連携し、葉のアップサイクルに取り組みました。調査の結果、葉には強力な抗炎症成分withnanolide類が含まれることが明らかになり、他にも抗糖化効果を持つルチンなどの有用成分が多いことが分かりました。鋭意研究開発を進め、株式会社ファーメンステーション3) と連携して、食用ほおずき葉エキスを実用化することができました。エキスには強い抗炎症作用があり、化粧品素材としての利用が期待されます。令和6年6月18日、食用ほおずき葉エキスを配合した、ハンドウォッシュ・ボディーウォッシュが、”F Organics”から販売開始されました。
F organicsは、株式会社マッシュビューティーラボ4) が製造販売するブランドの一つで、スキンケアを重視したオーガニック製品を多数手掛けています。
3) 株式会社ファーメンステーション (FERMENSTATION) | 独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型スタートアップです